コラム

(ぼく)らと (ちが)動物(どうぶつ)(からだ)

(うし)()は4つある!?

我々人間(われわれにんげん)は1つしか()がありません。しかし、いろんな動物(どうぶつ)を見てみると、それは()たり(まえ)じゃないんです!(うし)(ひつじ)、ヤギなどの動物(どうぶつ)は、「反芻動物(はんすうどうぶつ)」と()い、4つの()()ち、それぞれが(こと)なる機能(きのう)()ちます。

反芻動物(はんすうどうぶつ)一度飲(いちどの)()んだ()(もの)をもう一度口(いちどくち)(もど)して、何度(なんど)咀嚼(そしゃく)()むこと)を()(かえ)します。このように、消化(しょうか)機能(きのう)我々人間(われわれにんげん)とは(おお)きく(こと)なっているのです。その(なか)でも今回(こんかい)は、(ぼく)たちにとって(もっと)身近(みぢか)(うし)注目(ちゅうもく)しようと(おも)います。

1つ()()は「ルーメン」といい、食道(しょくどう)直接繋(ちょくせつつな)がっており、胃全体(いぜんたい)の80(パーセント)()めています。この(なか)には(おお)くの微生物(びせいぶつ)共生(きょうせい)しており、その微生物(びせいぶつ)作用(さよう)によって()べた(くさ)栄養(えいよう)として吸収(きゅうしゅう)できる(かたち)分解(ぶんかい)されます。

2つ()()は「蜂巣胃(はちのすい)」と()ばれ、ハチの()のようなひだを()つことが特徴(とくちょう)です。ルーメンでは消化(しょうか)しづらい()(もの)食道(しょくどう)(くち)まで()(もど)役割(やくわり)があり、(くち)まで()(もど)された()(もの)(ふたた)(かみ)(なお)され、3つ()()葉状胃(ようじょうい)」に()きます。

そして、その「葉状胃(ようじょうい)」では、()(もの)選別(せんべつ)(おこな)われます。()何枚(なんまい)にも(かさ)なったようなひだのある構造(こうぞう)()ち、それが()(もの)をすりつぶし、消化(しょうか)しやすくやったものを最後(さいご)の4つ()()である「しわ()」に(おく)り、まだ消化(しょうか)できるほど十分小(じゅうぶんちい)さくなってないものは蜂巣胃(はちのすい)(もど)します。また、(みず)栄養(えいよう)吸収(こきゅう)する(はたら)きも()っています。

最後(さいご)の「しわ()」では、胃液(いえき)分泌(ぶんぴつ)することによって最終的(さいしゅうてき)()(もの)消化(しょうか)します。人間(にんげん)()とほとんど(おな)じような(はたら)きをしていますね。

このように、4つの()使(つか)って(うし)消化(しょうか)(おこな)うのです。人間(にんげん)とはここまで消化(しょうか)仕組(しく)みが(こと)なるとは、とても興味深(きょうみぶか)いですね!

牛の胃

ウサギの(みみ)はなぜ(なが)い?!?

ウサギ、といえば、とてもかわいい動物(どうぶつ)ですよね。あのキュートなシルエットは(ぼく)たちを魅了(みりょう)してなりません。そのウサギのルックスにおいて(もっと)特徴的(とくちょうてき)なのは、やはりあの(なが)(みみ)でしょう!もはや()たり (まえ)のことのようにウサギの(みみ)(なが)いという事実(じじつ)(ぼく)たちは()()れていますが、(あらた)めて、そのことを(かんが)えてみるととても不思議(ふしぎ)(おも)いませんか?一体(いったい)どうして、ウサギの(みみ)(なが)いのでしょうか?

1つ()理由(りゆう)としては、(おと)(あつ)めやすいからです。(みみ)(おお)きいほど(おと)(あつ)めやすいのです。(ぼく)たち人間(にんげん)(おと)()こえにくい(とき)耳元(みみもと)()(ひろ)げると、()こえやすくなりますよね。それと(おな)じです。大草原(だいそうげん)(くさ)()べるウサギは(おお)きな(みみ)(おと)(あつ)めることで、危険(きけん)(おとず)れるのを察知(さっち)するのです。

そして、もう1つ、体温調節(たいおんちょうせつ)という役割(やくわり)もあります。人間(にんげん)は、(あせ)をかくことで体温調節(たいおんちょうせつ)(おこな)いますが、ウサギはほとんど(あせ)をかきません。そのため、(あせ)をかくかわりに(みみ)使(つか)って体温調節(たいおんちょうせつ)をおこなっているのです。ウサギの(みみ)には(あみ)()のように血管(けっかん)()(めぐ)らされていますが、この血管(けっかん)(かぜ)()てて、体温(たいおん)()がりすぎるのを(ふせ)いでいるのです。

ウサギ

(うま)(ひづめ)進化(しんか)

みなさんは「(ひづめ)」を()たり(さわ)ったりしたことはありますか?(うま)鹿(しか)(ぞう)、キリンといった「有蹄類(ゆうているい)」に分類(ぶんるい)される動物(どうぶつ)たちが()つ、(あし)(つめ)のようなものですね。では、この(ひづめ)一体(いったい)なんのためにあるのでしょうか?

(ひづめ)(ゆび)先端(せんたん)にある(つめ)進化(しんか)したものです。では、一体(いったい)どうして、このように進化(しんか)したのかというと、(はや)(はし)るためです。(はや)(はし)るためには、かかとを地面(じめん)につけずに(あし)先端(せんたん)だけを使(つか)うのが(ことわり)にかなっています。短距離走(たんきょりそう)体操選手(たいそうせんしゅ)(はし)姿(すがた)想像(そうぞう)するとわかりやすいですね。そのように、できるだけ(はや)(はし)ろうと、(あし)先端(せんたん)だけ使(つか)って(はし)ろうと進化(しんか)した結果(けっか)(ひづめ)という(かたち)進化(しんか)した、というわけです。

では、(ひづめ)がある指以外(ゆびいがい)(ゆび)はどうなったのかというと親指(おやゆび)退化(たいか)してしまい、(のこ)りの(ゆび)跡形(あとかた)(すこ)(のこ)程度(ていど)になってしまいました。(ぼく)人間(にんげん)は、ものを(つか)んだりするために、5(ほん)(ゆび)進化(しんか)してきました。しかし、(うま)草原(そうげん)()らす草食動物(そうしょくどうぶつ)です。(もっと)必要(ひつよう)なのは、天敵(てんてき)である肉食動物(にくしょくどうぶつ)から()げることです。そのために(はや)(はし)ろうとして、(ひづめ)進化(しんか)させていったのです

馬の蹄

くじらのヒレは人間の手にそっくり!?

くじらは(うみ)(およ)いでいる()(もの)です。だから、(さかな)仲間(なかま)である、と()われた(ほう)がしっくりきますよね?しかし、実際(じっさい)はくじらは哺乳類(ほにゅうるい)で、(さかな)よりは(ぼく)たち人間(にんげん)(ほう)がもっと()ているのです!なんとそのことがくじらの(からだ)構造(こうぞう)()ることでわかってしまったのです。

くじらを解剖(かいぼう)して、ヒレの(ほね)(かたち)()てみると、なんとびっくり、5(ほん)(ゆび)のような(かたち)をしているのです!(実際(じっさい)写真(しゃしん)はかなりなまなましい写真(しゃしん)となるので、こちらには掲載(けいさい)しません。興味(きょうみ)のある(かた)のみ、ご自分(じぶん)でお調(しら)べください。)

(ほか)にも、4本足(ほんあし)のくじらの化石(かせき)()つかったりと、くじらがかつては(りく)()らしていた証拠(しょうこ)となるものが発見(はっけん)されています。一体(いったい)どのような過程(かてい)(からだ)構造(こうぞう)変化(へんか)させ、(りく)から(うみ)へと()場所(ばしょ)()えたのか、(かんが)えてみるととても興味深(きょうみぶか)いですね。

磁石(じしゃく)不思議(ふしぎ)

磁石(じしゃく)使(つか)()(まわ)りのものにはどのようなものが(おも)いつきますか? 磁石(じしゃく)黒板(こくばん)(かみ)()めるものからイヤホンや(くるま)など()(まわ)りの様々(さまざま)なものに利用(りよう)されています。ここでは、磁石(じしゃく)色々(いろいろ)特徴(とくちょう)用途(ようと)について紹介(しょうかい)していきます。

磁石(じしゃく)って(なに)

そもそも磁石(じしゃく)とはなんでしょうか?一番最初(いちばんさいしょ)(おも)()かぶのは(あお)(あか)先端(せんたん)()られた棒状(ぼうじょう)U(ユー)字状(じょう)のものかもしれません。このような磁石(じしゃく)永久磁石(えいきゅうじしゃく)とよびます。磁石(じしゃく)にはN(エヌ)(きょく)S(エス)(きょく)存在(そんざい)します。N極同士(エヌきょくどうし)S極同士(エスきょくどうし)(ちか)づけると反発(はんぱつ)しあい、N極(エヌきょく)S極(エスきょく)(ちか)づけると()()います。しかし、永久磁石以外(えいきゅうじしゃくいがい)電磁石(でんじしゃく)という電気(でんき)利用(りよう)してN極(エヌきょく)S極(エスきょく)発生(はっせい)させるものもあります。

磁石の引力、斥力

方位磁針(ほういじしん)仕組(しく)

方位磁針(ほういじしん)N極(エヌきょく)(つね)(きた)S極(エスきょく)(つね)(みなみ)()すようになっています。つまり、地球(ちきゅう)北極(ほっきょく)S極(えすきょく)南極(なんきょく)N極(えぬきょく)として(とら)えられます。このように地球(ちきゅう)磁石(じしゃく)として見立(みた)てることができる理由(りゆう)()るためには、地球(ちきゅう)構造(こうぞう)電磁誘導(でんじゆうどう)について理解(りかい)する必要(ひつよう)があります。

マントル

まず、地球(ちきゅう)(みっ)つの部分(ぶぶん)から構成(こうせい)されます。外側(そとがわ)から(じゅん)地殻(ちかく)、マントル、(かく)です。(かく)内核(ないかく)外核(がいかく)区別(くべつ)することができ、内核(ないかく)固体(こたい)外核(がいかく)液体(えきたい)(てつ)やニッケルからできています。外核(がいかく)液体(えきたい)内核(ないかく)によって(あたた)められ、マントルによって()やされることで液体(えきたい)南北方向(なんぼくほうこう)にらせん構造(こうぞう)対流(たいりゅう)(しょう)じます。研究(けんきゅう)はまだ途中(とちゅう)ですが、らせん構造(こうぞう)一層(いっそう)あるいは二層(にそう)(かんが)えられています。この対流(たいりゅう)(てつ)やニッケルの金属(きんぞく)(うご)くことにより電気(でんき)発生(はっせい)します。

内核、外核

(つぎ)電磁誘導(でんじゆうどう)についてみていきます。(うえ)紹介(しょうかい)した電磁石(でんじしゃく)電磁誘導(でんじゆうどう)利用(りよう)して磁石(じしゃく)性質(せいしつ)を持ちます。電磁誘導(でんじゆうどう)では電気(でんき)がらせん(じょう)(うご)くことによって磁界(じかい)磁場(じば))が発生(はっせい)します。()3では磁力線(じりょくせん)(えが)かれていますが、磁力線(じりょくせん)()(ほう)N極(エヌきょく)(はい)(ほう)S極(エスきょく)として(とら)えることができます。

電磁誘導

このように、地球(ちきゅう)内部(ないぶ)()けた(てつ)やニッケルの金属(きんぞく)がらせん(じょう)(うご)くことによって電磁誘導(でんじゆうどう)(しょう)じ、地球(ちきゅう)北極(ほっきょく)S極(エスきょく)南極(なんきょく)N極(エヌきょく)のような磁石(じしゃく)として地球(ちきゅう)見立(みた)てることができるのです。

液体(えきたい)磁石(じしゃく)?!

磁性流体(じせいりゅうたい)という、磁石(じしゃく)(ちか)づけることで変形(へんけい)する液体(えきたい)存在(そんざい)します。磁石(じしゃく)(ちか)くにおくと磁石(じしゃく)磁力線(じりょくせん)沿()って磁性流体(じせいりゅうたい)変形(へんけい)し、ハリネズミの背中(せなか)のようなとげが何本(なんぼん)突出(とっしゅつ)した(かたち)になります。この流体(りゅうたい)直径(ちょっけい)10nm(ナノメートル)(1cm(センチメートル)の100万分(まんぶん)の1)ほどのマグネタイトなど磁石(じしゃく)としての性質(せいしつ)()物質(ぶっしつ)(みず)(あぶら)両方(りょうほう)性質(せいしつ)()界面活性剤(かいめんかっせいざい)(みず)(あぶら)()ざり()ってできています。マグネタイト単体(たんたい)磁石(じしゃく)として(はたら)くことは可能(かのう)ですが、磁性流体中(じせいりゅうたいちゅう)微粒子(びりゅうし)散乱(さんらん)することによって(ちか)くに磁界(じかい)がないときには微粒子(びりゅうし)がそれぞれ(こと)なる方向(ほうこう)磁力線(じりょくせん)()すため、磁性流体(じせいりゅうたい)磁石(じしゃく)としては(はたら)きません。

MRI(エムアールアイ)磁気共鳴画像診断(じききょうめいがぞうしんだん)

医療(いりょう)ドラマなどで時々(ときどき)見かけるMRI(エムアールアイ)ですが、どのような仕組(しく)みなのでしょうか?MRI(エムアールアイ)磁場(じば)電磁波(でんじは)をうまく利用(りよう)することによって検査(けんさ)したい(からだ)部位(ぶい])画像(がぞう)()ることができます。電磁波(でんじは)とは電流(でんりゅう)磁気(じき)()きや(おお)きさの変化(へんか)によって電流(でんりゅう)磁気(じき)がお(たが)いに影響(えいきょう)(およ)ぼすことで形成(けいせい)される(なみ)のことです。MRI(エムアールアイ)ではとても(つよ)磁石(じしゃく)によって、通常(つうじょう)はランダムな方向(ほうこう)()いている体内(たいない)水素原子(すいそげんし)というとても(ちい)さな成分(せいぶん)()きをそろえます。ここで電磁波(でんじは)検査(けんさ)したい部位(ぶい)受信(じゅしん)することによって水素原子(すいそげんし)移動(いどう)し、()きも変化(へんか)します。電磁波(でんじは)受信(じゅしん)()めてから水素原子(すいそげんし)(もと)位置(いち)(もど)るまでの時間(じかん)計測(けいそく)されています。(からだ)組織(そしき)によって(もど)るまでの時間(じかん)(こと)なるため、(からだ)内部(ないぶ)画像(がぞう)解析(かいせき)できます。

液体酸素(えきたいさんそ)

液体酸素(えきたいさんそ)()たことはありますか?酸素(さんそ)(わたし)たちが()きる(うえ)()かせない物質(ぶっしつ)ですが、液体(えきたい)状態(じょうたい)()たことがある(ひと)(すく)ないのではないでしょうか。酸素(さんそ)は、地球上(ちきゅうじょう)表面(ひょうめん)標準的(ひょうじゅんてき)圧力(あつりょく)(1気圧(きあつ))において-183()以下(いか)まで()げることによって気体(きたい)から液体(えきたい)へと変化(へんか)します。この液体酸素(えきたいさんそ)(あわ)青色(あおいろ)をしています。そして液体酸素(えきたいさんそ)磁石(じしゃく)(ちか)づけると磁石(じしゃく)()きつけられるのです。

プラズマが(なに)理解(りかい)してますか?

プラズマって()ってる?

「プラズマ」という言葉(ことば)()いたことのある(ひと)(おお)いでしょう。しかし、「それでは、プラズマとは(なに)説明(せつめい)してください」と()われて、(なに)かしらの説明(せつめい)ができる(ひと)はかなり(すく)ないと(おも)います。では、一体(いったい)プラズマとはなんなのでしょうか?

物質(ぶっしつ)三態(さんたい)」については()っている(ひと)(おお)いでしょう。物質(ぶっしつ)(こと)なる温度(おんど)圧力(あつりょく)によって、「気体(きたい)」「液体(えきたい)」「固体(こたい)」という3つの(こと)なる状態(じょうたい)()ります。このことを「物質(ぶっしつ)三態(さんたい)」と()びます。では、ここで(はなし)をプラズマに(もど)しましょう。プラズマとは一体(いったい)なんなのか。それは、「気体(きたい)」「液体(えきたい)」「固体(こたい)」のどれとも(こと)なる、物質(ぶっしつ)(だい)4の状態(じょうたい)のことを()します。物質(ぶっしつ)温度(おんど)()げるにつれて、固体(こたい)液体(えきたい)気体(きたい)(じゅん)状態(じょうたい)変化(へんか)しますが、そこからさらに温度(おんど)()げると、プラズマという状態(じょうたい)になるのです。

物質の三態

ミクロな世界を見てみよう!

では、プラズマがどのような状態(じょうたい)なのか、具体的(ぐたいてき)()ていく(まえ)に「物質(ぶっしつ)三態(さんたい)」をミクロな視点(してん)から()てみましょう。(じつ)は、我々(われわれ)()(まわ)りにある物質(ぶっしつ)は「分子(ぶんし)」という名前(なまえ)()()えないほど(ちい)さな(つぶ)でできています。

固体状態(こたいじょうたい)は、原子(げんし)同士(どうし)がお(たが)いに(つよ)(むす)びついている状態(じょうたい)です。気体状態(きたいじょうたい)は、原子(げんし)自由(じゆう)(うご)(まわ)っている状態(じょうたい)です。液体状態(えきたいじょうたい)は、分子同士(ぶんしどうし)(むす)びついていないが、気体(きたい)ほどは自由(じゆう)分子(ぶんし)(うご)(まわ)っていない状態(じょうたい)です。

このように、物質(ぶっしつ)温度(おんど)()がると、だんだんと分子(ぶんし)がより(はげ)しく運動(うんどう)するようになります。では、プラズマ状態(じょうたい)で、分子(ぶんし)はどのような状態(じょうたい)になっているのでしょうか?そのためには、「原子(げんし)」というものの構造(こうぞう)理解(りかい)しないといけません。

ミクロな世界

原子の構造

原子(げんし)」とは、分子(ぶんし)をさらに分解(ぶんかい)したら(あらわ)れます。分子(ぶんし)は、1つ以上(いじょう)原子(げんし)(むす)びつきでできているのです。その原子(げんし)をさらに分解(ぶんかい)していくと、「陽子(ようし)」「中性子(ちゅうせいし)」「電子(でんし)」という3つの粒子(りゅうし)から構成(こうせい)されています。原子(げんし)は、陽子(ようし)中性子(ちゅうせいし)から()る「原子核(げんしかく)」の(まわ)りを電子(でんし)(まわ)っているという構造(こうぞう)をしています。陽子(ようし)(せい)電荷(でんか)(よくわからなければ、プラスの電気(でんき)だよって(かんが)えよう!)を()っています。一方(いっぽう)で、電子(でんし)()電荷(でんか)(これもよくわからなければマイナスの電気(でんき)だよって考えよう!)を()っています。

原子核

プラズマ状態

では、プラズマの(はなし)(もど)りましょう。プラズマ状態(じょうたい)とは一体(いったい)どのような状態(じょうたい)なのでしょうか?気体状態(きたいじょうたい)からさらに温度(おんど)をどんどん()げていくと、物質(ぶっしつ)原子(げんし)変化(へんか)()こります。固体(こたい)液体(えきたい)気体(きたい)の3つの状態(じょうたい)では、原子(げんし)構造(こうぞう)(うえ)のような(かたち)安定(あんてい)していましたが、そこから温度(おんど)()げると、原子核(げんしかく)(まわ)っていた電子(でんし)が、もともとの軌道(きどう)から(はな)れてしまいます。その結果(けっか)原子(げんし)電子(でんし)(うしな)い、(せい)電荷(でんか)をもつ「(よう)イオン」になります。そして、軌道(きどう)から(はな)れた電子(でんし)(「自由電子(じゆうでんし)」と()びます)と(よう)イオンという、それぞれ()電荷(でんか)(せい)電荷(でんか)()った2つの粒子(りゅうし)自由(じゆう)()(まわ)っている状態(じょうたい)になります。この状態(じょうたい)がプラズマ状態(じょうたい)なのです。

プラズマ状態

プラズマ状態(じょうたい)特徴(とくちょう)

これで、プラズマ状態(じょうたい)がどのような状態(じょうたい)なのかが理解(りかい)できたかと(おも)います。それでは、プラズマ状態(じょうたい)一体(いったい)どのような特徴(とくちょう)()っているのでしょうか。

まず第一(だいいち)に、電気(でんき)(とお)すという特徴(とくちょう)があります。プラズマ状態(じょうたい)では、(よう)イオンや電子(でんし)という(せい)電荷(でんか)()電荷(でんか)()(まわ)っています。一体(いったい)どのような(とき)電気(でんき)(とお)るかというと、電子(でんし)自由(じゆう)(うご)ける状態(じょうたい)(とき)電気(でんき)(とお)ります。プラズマ状態(じょうたい)では、電子(でんし)自由(じゆう)(うご)(まわ)ることができる状態(じょうたい)にあるため、電気(でんき)(とお)すことができるのです。

また、発光(はっこう)するという特徴(とくちょう)()ちます。(くわ)しい(はなし)をすると(むずか)しい(はなし)になるのですが、プラズマ状態(じょうたい)物質(ぶっしつ)莫大(ばくだい)なエネルギーを()っています。その状態(じょうたい)物質(ぶっしつ)がエネルギーを放出(ほうしゅつ)する(さい)にそのエネルギーが(ひかり)となって、放出(ほうしゅつ)されるのです。そのため、プラズマ状態(じょうたい)物質(ぶっしつ)発光(はっこう)します。

()(まわ)りにあるプラズマ

では、プラズマは一体(いったい)どこに存在(そんざい)しているのでしょう?(いま)まで()いてきた(はなし)からは、プラズマが実際(じっさい)にどこにあるのか、なかなか想像(そうぞう)がつかないかもしれません。むしろ、周囲(しゅうい)固体(こたい)液体(えきたい)気体(きたい)物質(ぶっしつ)がたくさんあるため、プラズマは身近(みぢか)には存在(そんざい)しないと勘違(かんちが)いしてしまう(ひと)もいるかもしれません。しかし、意外(いがい)身近(みぢか)なところにプラズマは存在(そんざい)しています。(じつ)は、蛍光灯(けいこうとう)(かみなり)太陽(たいよう)、オーロラなどの身近(みぢか)なところでプラズマを()ることができるのです。(じつ)宇宙空間(うちゅうくうかん)の99(パーセント)以上(いじょう)がプラズマであると()われているのです!(ほか)にもどこでプラズマが利用(りよう)されているのか、調(しら)べてみるといいかもしれませんね。

身近(みぢか)窒素(ちっそ)意外(いがい)有能(ゆうのう)

(わたし)たちが日々(ひび)生活(せいかつ)する(うえ)空気(くうき)()かせません。空気(くうき)はある一種類(いっしゅるい)気体(きたい)からなっているわけではないのです。窒素(ちっそ)酸素(さんそ)二酸化炭素(にさんかたんそ)などの気体(きたい)()ざり()っています。そのように身近(みぢか)にある窒素(ちっそ)特徴(とくちょう)について紹介(しょうかい)していきます。

そもそも窒素(ちっそ)ってなに?

窒素(ちっそ)(わたし)たちの()(まわ)りに(おお)存在(そんざい)しますが、どれくらい存在(そんざい)すると(おも)いますか?(じつ)空気(くうき)の78(パーセント)窒素(ちっそ)()めているのです。そんな窒素(ちっそ)ですが、どのような性質(せいしつ)があるのでしょうか。

空気中の原子の割合

窒素(ちっそ)酸素(さんそ)二酸化炭素(にさんかたんそ)同様(どうよう)無色(むしょく)無臭(むしゅう)気体(きたい)です。一方(いっぽう)酸素(さんそ)とは(ちが)って燃焼(ねんしょう)(たす)ける性質(せいしつ)はありません。小学校(しょうがっこう)理科(りか)授業(じゅぎょう)で、酸素(さんそ)でいっぱいにした容器(ようき)(なか)にろうそくや線香(せんこう)()れると()(あか)るくなる様子(ようす)()たことがある(かた)もいるのではないでしょうか。酸素(さんそ)のように、()(ひか)具合(ぐあい)(つよ)める性質(せいしつ)のある気体(きたい)助燃性(じょねんせい)がある、すなわち(もの)(もや)(はたら)きを(うなが)性質(せいしつ)があります。(ぎゃく)窒素(ちっそ)場合(ばあい)はどうでしょう?窒素(ちっそ)でいっぱいにした容器(ようき)にろうそくや線香(せんこう)()れると()()えてしまいます。

消火(しょうか)システムとして利用(りよう)できる!

火事(かじ)()きた(とき)()()すにはどのような方法(ほうほう)があると(おも)いますか?消防士(しょうぼうし)(いきお)いよく(みず)()るホースを()っている様子(ようす)想像(そうぞう)する方もいるのではないでしょうか。(じつ)は、窒素(ちっそ)燃焼(ねんしょう)(たす)けない性質(せいしつ)使(つか)って消火(しょうか)(おこな)場所(ばしょ)もあります。どのような場所(ばしょ)想像(そうぞう)できますか?美術館(びじゅつかん)図書館(としょかん)などで(もち)いられていることがあります。(みず)をかけてしまうと美術館(びじゅつかん)作品(さくひん)図書館(としょかん)蔵書(ぞうしょ)()れてダメージを(あた)える可能性(かのうせい)(たか)いです。国立国会図書館(こくりつこっかいとしょかん)書庫(しょこ)では窒素(ちっそ)ガスを()し、酸素(さんそ)空気中(くうきちゅう)の12(パーセント)ほどに(おさ)えることによって消火(しょうか)(おこな)えるような設備(せつび)(ととの)っています。

植物(しょくぶつ)栄養源(えいようげん)

小学校(しょうがっこう)でアサガオやトマトを(そだ)てたことのある(かた)(おお)いのではないでしょうか。その(とき)(しろ)いつぶつぶを()いた(かた)(おお)いでしょう。この(しろ)いつぶつぶは肥料(ひりょう)で、植物の成長(せいちょう)(うなが)役割(やくわり)()っています。肥料(ひりょう)には窒素(ちっそ)、リン(さん)、カリウムの(みっ)つの成分(せいぶん)(ふく)まれています。この(みっ)つの成分(せいぶん)肥料(ひりょう)三大要素(さんだいようそ)とも()ばれています。窒素(ちっそ)には(くき)(ふと)くしたり、()っぱを()やしたりする(はたら)きがあります。リン(さん)(はな)()成長(せいちょう)(うなが)します。カリウムは()(ふと)くさせて丈夫(じょうぶ)にします。

三大肥料

窒素(ちっそ)原子(げんし)という(ふた)つの(ちい)さな成分(せいぶん)(むす)びつくことによって窒素(ちっそ)分子(ぶんし)という、空気(くうき)(ふく)まれる気体(きたい)存在(そんざい)します。しかし、肥料(ひりょう)(もち)いられるために窒素(ちっそ)原子(げんし)(べつ)成分(せいぶん)とくっつくことによって固体(こたい)として存在(そんざい)することができます。(たと)えば、硫酸(りゅうさん)アンモニウムという物質(ぶっしつ)(ふく)まれる肥料(ひりょう)では、硫酸(りゅうさん)イオンという原子(げんし)(あつ)まりとアンモニウムイオンという原子(げんし)(あつ)まりがくっつきあっています。このうち、アンモニウムイオンは窒素(ちっそ)原子(げんし)(ひと)つに水素原子(すいそげんし)(よっ)つくっついています。この硫酸(りゅうさん)アンモニウムを(ふく)肥料(ひりょう)(みず)をまくことによって硫酸(りゅうさん)アンモニウムは(みず)()け、(つち)吸収(きゅうしゅう)されて植物(しょくぶつ)()(とど)き、植物(しょくぶつ)()()まれるわけです。

肥料の説明

液体窒素(えきたいちっそ)磁石(じしゃく)使(つか)った現象(げんしょう)

2027(ねん)開業予定(かいぎょうよてい)のリニアモーターカーを()いたことがある(ひと)(おお)いのではないでしょうか。このリニアモーターカーは超伝導(ちょうでんどう)という現象(げんしょう)利用(りよう)して(うご)くことが想定(そうてい)されています。超伝導(ちょうでんどう)とは超伝導(ちょうでんどう)(たい)である金属(きんぞく)化合物(かごうぶつ)一定(いってい)温度以下(おんどいか)まで冷却(れいきゃく)することによって電気抵抗(でんきていこう)をゼロとする現象(げんしょう)のことです。また、特徴(とくちょう)として磁石(じしゃく)(うえ)冷却(れいきゃく)した超伝導(ちょうでんどう)(たい)磁石(じしゃく)(うえ)()いたときに()かびます。このように磁気浮上(じきふじょう)する現象((げんしょう)をマイスナー効果(こうか)とよびます。

マイスナー効果

超伝導(ちょうでんどう)利用(りよう)する機械(きかい)(おお)くが液体(えきたい)ヘリウムを利用(りよう)しており、液体(えきたい)ヘリウムは-269()であることから冷却(れいきゃく)するために多額(たがく)費用(ひよう)がかかることが問題(もんだい)となっていました。しかし、液体窒素(えきたいちっそ)によって必要(ひつよう)温度(おんど)まで冷却(れいきゃく)して超伝導(ちょうでんどう)状態(じょうたい)となる物質(ぶっしつ)(もち)いることで費用(ひよう)削減(さくげん)できることが()られ、現在(げんざい)はその研究(けんきゅう)実用化(じつようか)(すす)められています。将来(しょうらい)リニアモーターカーに()機会(きかい)があればぜひ超伝導(ちょうでんどう)について(おも)()してみてください。

参加型検証企画(さんかがたけんしょうきかく)コラム

参加型検証企画結果

(ひと)動物(どうぶつ)はどうやって()(みみ)から(のう)情報(じょうほう)をつたえているの?

(ひと)動物(どうぶつ)は、()(ひかり)を、(みみ)(おと)()()っています。そしてそこで()()れた(ひかり)(おと)情報(じょうほう)()(なか)にある網膜(もうまく)や、(みみ)(なか)にある内耳(ないじ)で、電気信号(でんきしんごう)()えています。じつは(ひと)動物(どうぶつ)は、機械(きかい)とおなじように電気(でんき)情報(じょうほう)をつたえているんですね。

眼球の構造

そしてそこでえられた情報(じょうほう)は、神経(しんけい)をつかってつたえられます。とはいっても神経(しんけい)にはケーブルのように電気(でんき)をとおす金属(きんぞく)などがはいっているわけではありません。ではどのようにして神経(しんけい)電気(でんき)(つた)えているのでしょうか?

耳の構造

神経(しんけい)は、”神経細胞(しんけいさいぼう)”(別名(べつめい)ニューロン)という細胞(さいぼう)がたくさんあつまってできています。みぎしたが神経細胞(しんけいさいぼう)()です。この細胞(さいぼう)にはいくつかの突起(とっき)と、一つの(なが)いひものようなものがあるのがわかります。このひものようなものが軸索(じくさく)です。この()では(みじか)いようにみえますが、 実際]は[軸索(じくさく)は1mm~1mと、本体(ほんたい)である細胞体(さいぼうたい)にくらべてとても(なが)くなっています。軸索(じくさく)では、つねに軸索表面(じくさくひょうめん)にあるポンプによって、軸索(じくさく)(そと)よりも軸索(じくさく)(なか)のほうが(よう)イオン(プラスの電気(でんき)()っているイオン)が(すく)なくなっているので、軸索内(じくさくない)はきほんてきには電気的(でんきてき)にマイナスになっています。そして、神経細胞(しんけいさいぼう)情報(じょうほう)がとなりの神経細胞(しんけいさいぼう)からつたわってくると、細胞体(さいぼうたい)のちかくの軸索(じくさく)表面(ひょうめん)にある〖Na〗+チャネルという(もん)(ひら)かせて、(よう)イオンを軸索(じくさく)(ない)にとりこんで、電気的(でんきてき)にプラスにします。(よう)イオンを(とお)(もん) であるNa+チャネルは、(ちか)くが電気的(でんきてき)にプラスになったのを検知(けんち)してかってにはたらく性質(せいしつ)をもっているので、軸索(じくさく)のあるぶぶんではたらいたNa+ チャネルがとなりのNa+チャネルをはたらかせ、それがさらにとなりのNa+チャネルをはたらかせ、それがさらに、、、というような (かたち)情報(じょうほう)がつたわっていきます。そして軸索(じくさく)(はし)情報(じょうほう)がたどり()くと、こんどは軸索(じくさく)(はし)枝分(えだわ)かれしたものの(さき)にあるシナプスから化学物質(かがくぶっしつ)をだし、(べつ)神経細胞(しんけいさいぼう)がその化学物質(かがくぶっしつ)をうけとることで(べつ)神経細胞(しんけいさいぼう)情報(じょうほう)をつたえています。

神経の構造

このように、神経(しんけい)複雑(ふくざつ)なしくみで情報(じょうほう)をつたえているため、ほぼ(ひかり)のはやさで(すすむ)導線(どうせん)のなかでの電気信号(でんきしんごう)にくらべ、神経(しんけい)情報(じょうほう)をつたえるはやさはおおよそ新幹線(しんかんせん)(おな)じくらいでしかない、情報(じょうほう)(のう)にとどける(とき)、そしてそれを(のう)のなかで信号(しんごう)をぐるぐるまわして計算(けいさん)する(とき)にどうしても時間(じかん)がかかってしまうのです。

(おと)(ひかり)はどっちがはやく反応(はんのう)できるの?

人間(にんげん)は、()()たものと(みみ)()いたものではどちらがはやく反応(はんのう)できるのでしょうか?(おな)種類(しゅるい)ものでも(とき)場合(ばあい)()わってしまうため((たと)えば(ひかり)(あか)るくしたり(おと)をうるさくするとはやく反応(はんのう)できる)くらべるのは(むずか)しいですが、(おお)くの研究者(けんきゅうしゃ)(おと)のほうがはやく反応(はんのう)できるといっています。その理由(りゆう)として、()()たものと(みみ)()いたものをそれぞれ電気信号(でんきしんごう)にした(とき)()()たもののほうが情報(じょうほう)(りょう)がおおいためおおくの計算(けいさん)がひつよう (とおるニューロンの(かず)がおおい)ということ、また()(よる)使(つか)えないうえ、その方向(ほうこう)()いていないと使(つか)えないため太古(たいこ)人間(にんげん)猛獣(もうじゅう)などの危険(きけん)をしるために(みみ)がとても重要(じゅうよう)だったということが(かんが)えられます。

さて、(おと)(ひかり)別々(べつべつ)ではなく同時(どうじ)()たり()いたりすると(ひと)反応(はんのう)(はや)くなるでしょうか?それとも(おそ)くなるでしょうか?いくつかの研究(けんきゅう)によると、 同時(どうじ)のほうが(はや)反応(はんのう)できるようです。これは(ひと)情報(じょうほう)(あたま)処理(しょり)するときに、()(みみ)、それから(はな)皮膚(ひふ)(した)から()情報(じょうほう)を、それぞれ別々(べつべつ)ではなく情報(じょうほう)をいろいろくらべつつあわせて処理(しょり)しているためです。 たとえばかき(ごおり)シロップはじっさいは砂糖(さとう)(あじ)しかしないのに、()()(にお)いにだまされて(あじ)があると勘違(かんちが)いしてしまうというのがあります。

かき氷のイラスト

参考文献(さんこうぶんけん)

新美 亮輔、横澤 一彦 反応時間 脳科学辞典 https://bsd.neuroinf.jp/wiki/反応時間

協賛(きょうさん)企業(きぎょう)(さま)

社会福祉法人草萠学舎 西国立保育園