暑さと湿度のお話

暑い日が続いていますね。

気温が同じくらいでも、湿度によって「暑さ」に違いを感じた経験はありませんか?

気温が低くても湿度が高いと、気温の割に蒸し暑く感じますね。

これはなぜでしょうか。

実験してみよう

用意するものは、タオル2枚、ぬるま湯、そして扇風機です。

まず、タオルを両方ぬるま湯につけてよく絞ります。

次に、2枚のうち片方を扇風機の前に広げて吊るし、しばらく風を当てます。

風を当てたタオルと当てていないタオルをさわって、温度を比べてみましょう。

風を当てたタオルのほうが、温度が低くなっていると思います。

なぜでしょう。

「気化熱」

液体が蒸発するときには、「気化熱」といってまわりから熱を奪っていきます。

そのため、濡らしたタオルから水が蒸発するときには、

タオルから気化熱を奪ってタオルの温度は下がります。

このとき、扇風機でタオルに風を送ると、

タオルの周りにある水分が吹き飛ばされて、水がより蒸発しやすくなります。

水が蒸発しやすければ、当然熱も奪われやすくなってより温度が下がるわけですね。

暑さと湿度

では、このことを暑さと湿度の話に当てはめてみましょう。

このときは、タオルが人間の体に、タオルの水分が汗に相当します。

(汗は、蒸発したときの気化熱によって体を冷やすためにあるのですね。)

そして、タオルに風を当てて周りの水分を吹き飛ばした状態は湿度が低いことに対応します。

逆に風を当てていないほうは、湿度が高いことに対応していますね。

なぜ湿度が高いと暑く感じるのか、さきほどの実験から考えると…

湿度が高いと、体の周りに水分がとどまってしまい、汗が蒸発しにくくなります。

そのため、体から熱が奪われにくくなって気温の割に暑く感じてしまう、ということですね。

さらにこの実験からは、汗の蒸発を促すことができれば

涼しく感じることができる、ということもわかります。

扇風機やエアコンの除湿機能などがこれにあたります。

空気が乾燥している砂漠地帯では、気温の割にそれほど暑さを感じないそうです。

日本の夏と真逆ですね。

このお話は、2011/08に CAST@NET で配信されました