砂丘のしま模様のお話

みなさんは、砂丘(さきゅう)や砂漠(さばく)に

しま模様(もよう)ができている映像を見たことがあるでしょうか?

日本でも、鳥取砂丘でしま模様が見られます。

イメージとしては、日本庭園(にほんていえん)の砂の模様に近いでしょう。

庭園の模様は、人間が手を加えて作ったものです。

それに対して、砂丘や砂浜のしま模様は自然の力が作り出したものです。

風の力

その自然の力とは、風の力です。

風は、その吹く向きと垂直(すいちょく)に広がるしま模様を作り出します。

それでは、風がしま模様をどのように作るのかを見ていきましょう。

たとえば、砂丘に石がひとつあるとしましょう。

石は砂の粒よりも大きいので、その部分だけ回りよりもすこし出っ張っていることになります。

そのため、石に向かって地面すれすれを吹いてくる風は、石の出っ張りを乗り越えようとして上向きに吹くことになります。

人間で例えると、ハードル走の選手がハードルを越えようと跳び上がるようなものです。

こうして風が上向きに吹くときに、軽い砂の粒は吹い上げられてしまいます。

そして、砂粒は風下でふたたび着地し、新たな出っ張りを作ります。

これをきっかけにして、また新たな出っ張りができる、ということを繰り返して、等間隔で並んだ出っ張りができるのです。

「でもこれじゃあ出っ張りの点が並ぶだけで、しま模様はできないんじゃないの?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

実は、こうしてできる出っ張りは、最初は石という「点」ですが、風下に向かうにつれて線状に、しかも長くなっていくのです。

他にも…

これを考えるために、「風」を「人間」、「出っ張り」を「ハードル」に置き換えてみましょう。

3人の人が、足を結んで「三人四脚」をすると思ってください。

もし、真ん中の人が通るところだけにハードルが置いてあったらどうなるでしょうか?

真ん中の人はハードルを越えるために跳ばなければなりませんが、3人は足が結ばれているので両脇の2人も跳ぶことになります。

つまり、ハードル(=出っ張り)は1人分なのに、3人(=風)が跳ぶことになるわけです。

その結果、3人分の砂が吸い上げられるので、新たな出っ張り(=ハードル)も3人分となります。

同様なことを繰り返して、出っ張りの長さはだんだん長くなっていきます。

これと似たようなことは、道路でも起きています。

道路のアスファルトに小さなデコボコがあると、そこでタイヤがはねて、

着地したところに新たなデコボコを作ってしまいます。

(正確には、車から地面にかかる力に強弱がついてしまうということです。タイヤが地面から離れるということは普通の道路ではまずないと思います)

放っておくとデコボコが大きくなって乗り心地が悪くなるので、定期的に舗装(ほそう)をしなおす必要があります。

このお話は、2011/11に CAST@NET で配信されました