「おっ、この生き物のデザイン使えるな。まねしちゃえ!」 こんな風に新たなものづくりを進めることこそが、バイオミメティクスの考え方です。生き物のまねが、私たちの生活にどのように役に立つのか、実験とともに紹介していきます。生き物たちの驚くべき「賢さ」に迫っていきましょう!
動画
インタビュー動画
この企画の担当者に、ブースの見どころやこだわりなどを聞きました!ブース本編と合わせてお楽しみください!
ふりかえり
「バイオミメティクス」は、「生き物の真似をして、新しいものをつくること」のことでした。生き物の真似が僕たちの生活にどう役立っているのか、一緒に見ていきましょう。
ハニカム構造
カワセミのくちばし
昔の新幹線
今の新幹線
色素について
実験動画の中では、生き物の「構造色」という色を出す特別な仕組みを紹介しましたが、同時に私たちが普段色を見る仕組みについても軽く説明しました。ここではそれをもう少し詳しく説明したいと思います。
ここでポイントとなるのが「色素」です。動画の中で、白い光は赤・青・緑などの様々な色からできていることを説明しました。色素は、様々な色が混ざった光のうち、決まった色だけを吸ってしまいます。そして、吸われずに残った色だけが私たちの目に届くのです。例えば、植物の葉っぱが持っている色素は緑色以外の色の光を吸ってしまうので、残った緑色だけが跳ね返って私たちの目に届き、葉っぱが緑色に見える、ということでした。なぜ決まった色の光が吸われるかというと、その光が、物質の中にある電子という小さな粒子が光を受け取って、エネルギーの高い状態になるのにちょうどいいからです。ちなみに、植物はそうして吸われた光を利用して、自らが生きるためのエネルギーに変えています。光合成には実は色素が関わっているのです。
動画で紹介した「構造色」は、薄い膜がたくさん重なったようなその形によって色を跳ね返して私たちの目に届けるので、角度によって様々な色が見えますが、「色素」はその種類によって決まった色を吸ってしまうので、私たちにはいつも同じ色に見えます。色の見える仕組みは一通りではないのですね。
構造色シートの原理について
実験動画の中では、構造色を見せてくれる特別なシートを白黒の板の前にかざすと、白い部分の前ではピンク色に、黒い部分の前では緑色に見えることを紹介しました。ここでは、その理由について紹介します。
構造色は、薄い膜が重なっているところに光が入り、決まった色だけが跳ね返されることで見えるということを説明しました。このシートでは、動画の中で示した下の図のように、緑色だけが跳ね返るようになっています。逆に、シートを通り過ぎる光は緑色だけが無くなっていて、その色はピンク色(正しくは「マゼンタ」)となっています。白色-緑色=マゼンタ というわけですね。
さて、これらの光は白黒の板の上ではどうなるでしょうか。黒い板の上では、通り抜けていったマゼンタの光は吸収されてしまいます。そもそもどうして黒い色が黒く見えるかというと、ほとんどの色の光を吸収してしまうからなのです。「黒い色は太陽の光を吸収するから熱くなる」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。同様にマゼンタの光は吸収されていなくなってしまい、跳ね返った緑だけが見えるというわけですね。逆に白い板の上では、シートを通り抜けたマゼンタもそこで跳ね返されます。白い板の上で跳ね返されたマゼンタの光が、シートの上で跳ね返された緑の光よりも強いために、白い板の上ではマゼンタが見えるのです。
コラム「3つのカタチの⼤きさを⽐べてみよう!」
バイオミメティクスブースの動画では、周りの⻑さが等しい正三⾓形・正⽅形・正六⾓形のうち、⼀番⼤きいのは正六⾓形になる、ということを紹介しました。ここでは、本当に正六⾓形が⼀番⼤きいのかをたしかめてみたいと思います!
初めに、周りの⻑さの等しい正三⾓形・正⽅形・正六⾓形を準備します。正三角形は...続きを読む