みなさんは、「ダイヤモンドダスト」という言葉を聞いたことがありますか?ダイヤモンドダストとは、空気中を塵(ダスト)のように漂う氷の粒が、太陽の光に当たることでキラキラ輝くという自然現象です。光を受けて輝きながら舞う結晶はまるで宝石のようです。とても幻想的で美しいこの現象は、「天使のささやき」とも呼ばれています。
ダイヤモンドダストは、「気温が-15℃以下で風が弱く、適度な湿度のある空気の澄んだ晴れた日の朝」という、いくつもの条件を満たしているときのみ見られる、珍しい現象です。日本では、冬の北海道でごく稀に見られるダイヤモンドダストですが、身近なものを使うと小規模なダイヤモンドダストを作ることができます。
大きさの違う2つの缶を用意し、小さい方の缶の内側に黒画用紙を貼ります。缶を重ねてスポンジと両面テープで固定し、セロハンテープで上からおさえたら、缶どうしの隙間にかき氷のシロップを注ぎます。この缶を冷凍庫に入れて-20℃くらいまで冷やします。缶の中にゆっくりと息を吹きこんでから缶の中で緩衝材をつぶし、ライトで照らすと、キラキラと輝くダイヤモンドダストが見えます。
息を吹きこむことによって、息に含まれる水蒸気が過冷却状態の水の粒になります。過冷却とは、本来水が氷へと変化するはずの温度である0℃よりも冷たいにも関わらず、水が凍らないままである、という状態のことです。この水が、緩衝材をつぶした時の衝撃で、一気に凍り、氷の粒へと変化するのです。みなさんもおうちで実験してみて、美しい冬のふしぎに触れてみてはいかがでしょうか。