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ふりがな
絵が飛び出して見える!?立体視のふしぎ

 赤青メガネをかけると飛び出して見える絵を見たことはありますか?立体的にものを見ることを「立体視」といいます。立体視により、なんと平らなところに描かれているはずの絵が、立体的に見えることもあります。このブースでは、私たちが普段どうやってものを立体的に感じているかが分かる実験を体験していただきます。平面と立体の間を行き来するふしぎな実験が盛りだくさんです。立体視の世界へようこそ。

コラム:裸眼立体視をやってみよう!

 裸眼立体視とは、赤青メガネなどの道具を使わずに、平面の画像を立体的に見ることです。ここでは、裸眼立体視の方法のひとつである、交差法を紹介します。はじめはむずかしいので、おうちの人と一緒にやってみましょう。

 交差法とは、画像の左側を右目で、右側を左目で見る方法です。この時、図1のように、目と絵の間でピントがあうようにします。交差法で立体視をするには、まず、寄り目にします。顔と絵の間にえんぴつなどをたて、その先を見つめるとやりやすいです。絵には目のピントを合わせないことに注意してください。すると、図2のように、絵が二重に見えます。この時、絵に描かれた点が4つに見えます。そのまま、二重に見える絵の一部が重なり、点が3つに見えるように目を動かします。この目の位置をキープすると、立体視ができます。ここで紹介した交差法の他にも、平行法という、もう1つの裸眼立体視の方法もあります。平行法では、画像よりも遠くを見るようにして、画像の奥に像をつくります。

図1
交差法の説明図
図2
交差法の説明図

 それでは、実際に裸眼立体視をやってみましょう。裸眼立体視は下のような画像を見るときや、まちがいさがしにも使うことができます。絵の上の方にある◯が重なるように目をずらしてみてください。ちなみに、「ステレオグラム」とインターネットで検索してみるとこれに似たさまざまな絵が見つかります。

 目をずらして2つの絵が重なるように見ると、左右の異なる部分だけずれて見えます。(まちがいは6つあります。)

CASTON交差法.png まちがいさがしCASTON

宇宙から撮った写真で立体視をすると、地形を立体的に見ることができます。※この画像は 平行法で見てください。

立体視数字 ↑数字がかくれているよ
立体視地図
コラム:立体視で星の遠さを調べられる!?

 科学者たちは、地球から夜空の星までの距離をどのようにして測ったのでしょうか?実はここにも、立体視ブースで紹介するしくみが応用されています。

 私たちの両目は数cm離れていますから、同じ物体を見ても2つの目の見え方にはずれが生じます。このずれの大きさから、物体までの距離がわかるのです。

 地球の公転というのは、地球が太陽の周りを1年かけて1周することです。地球は公転しているため、半年の期間をあけて2回同じ星を観測すれば、右の図のように、公転直径の約3億kmも離れた2つの場所から見たことになるのです。 このようにすれば、やっと星の見え方のずれが分かるようになり、星までの距離が計算できるのです。

 公転運動による星の見え方のずれを「年周視差」といいます。それでも星は遠いので、年周視差はとてもわずかなものです。まだ観測精度が低かった時代には、年周視差はいっさい検出できませんでした。このことは、当時の人が、地球が太陽の周りを回っていると考える地動説を否定し天動説を信じる根拠の1つとなったとも言われています。

立体視視差
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