円周率ってなに?
円周率とは、円の周りの長さ(円周といいます)が円の直径に対してどのくらいの大きさかを表す数字で、ふつうπという記号で表されます。
円周率は、全ての円に対して同じ値になることがわかっていて、円周率 = 3.141592653...です。
円周は直径×円周率で計算できるので、直径が1cmの円の円周は約3.14cmになることがわかります。
どうして点を打つだけで円周率が求まるの?
正方形の中にランダムに点を打ったとき、ある図形の中に点が入る割合を考えてみましょう。感覚的には狭い図形の中には入りづらく、広い図形だと楽に入りそうです。
実はこの割合は点の打ち方がしっかりとランダムであれば、正方形の面積と図形の面積の比にだんだんと近づいていきます。
正方形の1辺の長さを2cmとすると正方形の面積は 2cm×2cm=4cm2 、半径1cmの円の面積は (円周率) ×1cm×1cm=(円周率) cm2 です(6年生の算数で習います)。よって打った点の数、円の中に入った点の数を数えることで、次のように円周率のだいたいの値を計算することができるというわけなのです。
モンテカルロ法で円周率を求めよう
今回の進捗企画では「モンテカルロ法」という手法を用いて円周率の近似値を求めました。モンテカルロ法とは、ランダムな数字「乱数」を利用して、シミュレーションや数値計算を行う手法のことです。
今回は円に直接、点をランダムに打って、円周率の近似値を求めましたが、実は円を使わずに円周率の近似値を求める方法があります。その方法を説明したいと思います。
使うものは、針、紙、ペンです。
まず上の図のように、紙に10cm間隔で平行線をたくさん引いて、長さ5cmの針を好きな位置から紙に落としていきます。このとき、紙に落ちた針のうち、平行線と交わっているものの本数を数えていくことにします。
本当は、平行線の間隔や針の長さは自由に決められるのですが、今回はイメージがしやすいように、平行線の間隔を10cm,針の長さを5cmと決めてしまいます。
これを繰り返すと、このとき実はの値が円周率に収束していくのです。
なぜこのような方法で円周率が求まるのか、実はこの方法の背景には「ビュフォンの針」という有名な確率の問題があります。
きちんと理解するには、高校、大学で習う確率や積分に関する知識が必要なため、説明は割愛しますが、興味のある人はぜひ調べてみてください。
この方法も「針をランダムに落とす」ということからモンテカルロ法の応用例の一つです。
針を落とすだけで円周率が求まるなんて不思議ですね。針の代わりに爪楊枝などを使っても再現できるので、お家でもぜひ試してみてほしいと思います。