このゲームでは、相手と交互に石をとっていきます。「最後の石をとった方が勝ち」という一見運任せのゲームのようですが、実は数学の考え方を使うことで勝つことができるんです!何度も遊びながら、必勝法を探してみましょう!
※ゲームの読み込みに時間がかかる場合がありますがそのままお待ちください。
ヒント
- このゲームには必勝法があるよ!自分の順番が終わったときに、皿の上の石の数がどのようになっていればよいかに注目して考えてみよう!
- 必勝法には、「二進法」というものが関わっているよ。石の数を「二進法」で表して考えると何か法則性が見えてくるかも?
解説
難易度:ふつう(皿が二つ)のとき
自分の順番が終わるときに、二つの皿にある石の数が同じになるようにしよう。二回目以降の自分の番では、相手と同じ石の取り方をすると考えてもよいでしょう。例えば、二つの皿の石の数が同じときに、相手が右の皿から2個石を取ったら、その次の自分の番では左の皿から2個石を取れば、二つの皿の石の数はまた同じになりますよね。
それを繰り返せば、最後には両方の皿の石の数が同じ0となって勝てるはず!
難易度:むずかしい/とてもむずかしい(皿が三つ)のとき
この必勝法では「二進法」というものがポイントになっているよ!
二進法とは
ここでは、数の数え方の話をします。私たちは普段、0から9までの数字を使って数を数えていますよね。1, 2, 3,…と数えていって、9の次は位が上がって10になります。同じように、10, 11, 12,…,20,…30,…と数えていって、99の次はまた位が上がって100になります。このことを、次のように言うことができます。すなわち、「10個集まると位が上がる」ということです。1が10個集まって10に、10が10個集まって100に、100が10個集まって1000に…というふうに位が上がっていきますよね。私たちが普段使っているこの数の数え方のことを、「十進法」といいます。
二進法とは、この数の数え方の一つです。二進法では、上で説明した十進法の「10」を「2」に変えればよいのです。つまり、「2個集まると位が上がる」ということです。十進法では0から9までの数字を使いましたが、二進法では0と1の二つしか使いません。二進法では1はそのまま1ですが、2は「10」と表されます。なぜなら「2個集まると位が上がる」からです。3はそれに1を足して「11」であり、4は「2が2個集まった」ので位が上がり、「100」となります。
十進法と二進法の対応を表に整理してみましょう。
では、十進法で表された数を二進法に変える方法を紹介します。
そこで使うのが、筆算です。ただし、割る数・割られる数とその答えの位置は逆にして書き、その右にあまりの数を書きます。(割り切れたときは0と書きましょう。)
十進法の数字を2で割り続け、答えが0か1になったら終了です。最後の答え→その計算のあまり→その一つ前のあまり という順番で数字を並べていくと、それが二進法で表された数になっています。
24は二進法で表すと確かに11000になっています。
それでは、この二進法をどのように使うと必勝法になるのでしょうか。
まずは、それぞれの皿に乗っている石の数を二進数に変えてみましょう。
左の皿の石の数は8個なので、
というふうに計算すると、8は1000と表されることがわかりますね。
真ん中の皿の石の数は9個です。同じように筆算をしてもいいですが、ここでは8に1を足すと考えるほうが楽でしょう。1000の最後に1を足して、1001となります。
右の皿の石の数は10個です。こちらも9に1を足すと考えます。1001の最後に1を足すと、「1が2個集まる」ので位が上がり、1010となります。
次に、こうして二進法で表した数を使って、各桁の数を足しましょう
上の例で、三つの皿の上にある石の数8、9、10は二進法でそれぞれ1000、1001、1010と表されることを見てきました。この三つの数を足します。
では、このゲームに勝つためには、どの山からいくつ石を取ったらいいのでしょうか。
必勝法は、自分の順番の終わりに、こうして計算した数の「各桁の数が全て偶数」になるように石を取ることです。
例)3、0、1、1を全て偶数にするには、例えば3と1を2にすればいいですね。そのためには、例えば1000を0011にすればよいでしょう。
0011+1001+1010 = 2022 (2も0も偶数ですね)
つまり、石が8(=1000)個乗っている皿から5個取って3(=0011)個にすればよいのです
「各皿の石の数の和を全て偶数にすること」を繰り返していくと、あら不思議、ゲームに勝つことができます!手元で計算しながら、頑張って勝てるまで挑戦してみてください!
どうしてこの方法で勝つことができるのかは、数学の証明問題です。気になった人は調べてみたり、自分で証明に挑戦してみたりすると面白いかもしれません!